植物や動物たちをモチーフにしたデザインを数多く手がけたウィリアム・モリス。
「いちご泥棒」や「フルーツ」など彼の生み出した上品で繊細なデザインは、1世紀以上たった今でも世界中で愛されていますよね。
今回はそんな『ウィリアム・モリスの人気柄』をおしゃれなインテリア実例とともに紹介します。
目次
ウィリアム・モリスについて
ウィリアム・モリスは、19世紀イギリスのデザイナー・芸術家で「モダン・デザインの父」と称されています。
芸術家だけでなく、詩人・実業家・社会主義運動家として多彩に活躍し、後世に大きな影響を与えました。
モリスは「役に立たないものや、美しいと思わないものを、家においてはいけない」という名言を残しています。
19世紀のイギリスでは産業革命の影響で工場による大量生産のインテリアが主流となっていました。
モリスは職人による熟練の技や手仕事ならでは美しさが失われることを危惧し、工芸の美しいデザインを復興しようと仲間とともに会社を設立します。
そして「生活と芸術を統一する」と言う思想のもとアーツ・アンド・クラフツ運動を主導しました。
アーツ・アンド・クラフツ運動やモリスの思想は、各国の美術運動に影響を与えたと言われています。
ウィリアム・モリスが人気の理由
ウィリアム・モリスは、樹木や草花など自然をモチーフにした美しいパターンデザインを数多く生み出しました。
繊細なデザインや美しい色彩は、モリスならではの独自の世界観を演出していますよね。
モリスはパターンデザインでも単調に見えないよう、自然ならではの曲線的で大胆な動きをデザインに取り入れました。
植物が大きくうねっていたり、複雑に絡み合ったりするデザインはモリス・スタイルの定番ですよね。
また、モリスは草木や昆虫などを利用した自然素材の染料を積極的に使用していました。
ときには納得のいく色が生み出せるまで、10年以上かけて実験することもあったそうです。
こうして作られたウィリアム・モリスのデザインは、どの作品もみずみずしい自然の美しさをを感じさせます。
洗練された自然な美しさこそ、ウィリアム・モリスのデザインの人気の理由かもしれません。
細部にまでこだわったモリスのデザインは、100年以上たった今でも新鮮さを失わず、私たちの心を惹きつけます。
ウィリアム・モリスの人気の柄・デザイン
ここからは、ウィリアム・モリスのデザインの中でも特に人気のものを紹介します。
インテリアのコーディネート実例とおすすめアイテムも合わせて紹介していきますね。
いちご泥棒
イチゴをついばむ可愛らしいツグミががかれた『いちご泥棒(ストロベリーシーフ)』は、ウィリアム・モリスの代表作の一つです。
ウィリアム・モリスが手掛けたデザインの中でも、最も有名で人気のある作品のひとつです。
この柄は、モリスが別荘の庭でイチゴをついばむ小鳥たちに魅了されデザインにしたそうです。
大切に育てたイチゴを食べてしまった小鳥たちに「いちご泥棒」と名付けることろに、モリスの温かい人柄が垣間見えますね。
天然の染料を使い、仕上げるのに高度な技術と長い時間が必要だったことから、当時は大変高価だったそうですよ。
『いちご泥棒』のコーディネート例
『いちご泥棒』のカーテンとラグを敷いた、こちらのコーディネート。
深みのあるブルーと、クラシカルな雰囲気が素敵ですよね。
左右対称のバランスの良い構図なので、壁紙やカーテンなど面積の大きなインテリアに取り入れてもすんなりと馴染みますよ。
もちろん、クッションや小物に取り入れてアクセントにするのも◎
【モリスシリーズ】小鳥とイチゴの愛らしいデザイン!防炎・ウォッシャブル日本製ドレープカーテン
『いちご泥棒 ダークブルー』
織物だから表現できる色彩の豊かさと立体感が美しい高級生地ドレープカーテン
【モリスシリーズ】いちごとツグミが描かれたウィリアム・モリスの代表的なデザインの円形クッション
『いちご泥棒 ブルー 直径約40cm』
ラグなど他のアイテムと揃えても可愛い♪モリスの世界観を味わえる円形クッション
フルーツ
ウィリアム・モリスのデザインの中でも特に有名なのがこちらの『フルーツ』。
1864年にモリスの第二作目の壁紙として描かれ、当初は『柘榴(ザクロ)』と呼ばれていました。
レモンやザクロなどの果実がアンティーク調の優しい雰囲気で描かれていますね。
斜めに流れのある伸びやかなデザインから、生き生きとした自然な果実の魅力が伝わってくるようです。
『フルーツ』のコーディネート例
みずみずしく大胆な模様の『フルーツ』は、クッションなどの小物に取り入れても存在感を発揮してくれます。
インテリアのアクセントとして取り入れば、ナチュラルでも遊び心のあるインテリアに。
カーテンとお揃いでコーディネートすれば、さらに統一感のあるコーディネートをお楽しみいただけますよ。
ソフトな色調なので、洋室のインテリアはもちろん和室にもおすすめです。
【モリスシリーズ】伸びやかなボタニカルデザインを織物で美しく表現!防炎・ウォッシャブル日本製ドレープカーテン
『フルーツ グリーン』
織物だから表現できる色彩の豊かさと立体感が美しい高級生地ドレープカーテン
【モリスシリーズ】手軽にソファを模様替え!草花等のモチーフが美しいロングシートクッション
『フルーツ グリーン 約46×148cm』
ラグなど他のアイテムと揃えても可愛い♪モリスの世界観を味わえるロングシートクッション
【モリスシリーズ】インテリアのアクセントに♪世界で愛されるデザインの背当てクッションカバー
『フルーツ イエロー 約45×45cm』
ラグなど他のアイテムと揃えても可愛い♪モリスの世界観を味わえるクッションカバー
レターアカンサス
1912年にウィリアム・モリスの一番弟子である、ジョン・ヘンリー・ダールがデザインしたものです。
1892年にモリスがデザインした壁紙『Bachelors Button』をお手本に作られました。
ボリューム感のあるアカンサスの葉、カーネーションなど色とりどりの花々が表情豊かに描かれています。
『レターアカンサス』のコーディネート例
大胆な曲線が描かれた『レターアカンサス』は、淡い色使いでも飽きのこないデザイン。
上品なデザインなので、玄関マットにおすすめです。
家族やお客様を優しくお出迎えしてくれます。
ピンクアンドローズ
『ピンクアンドローズ』は、1893年にウィリアム・モリスによってデザインされた壁紙のデザインです。
咲き乱れるバラとカーネーションが美しいですね。
茎が絡み合うようなパターンデザインは、モリス後期の作品によく見られます。
ちなみに、『ピンクアンドローズ』の「ピンク」は色のことではなく、カーネーションと同種であるナデシコの英名だそうです。
『ピンクアンドローズ』のコーディネート例
『ピンクアンドローズ』のラグを敷くことで、フェミニンで気品あふれるお部屋に♪
子どもっぽく見えやすいピンクも、モリスのデザインならお部屋が優雅に華やぎますね。
こちらのラグは光沢のある糸で立体的に織り上げられているので、足元から高級感を演出してくれます。
ゴールデンリリーマイナー
黄金のユリが描かれたエレガントなデザインの『ゴールデンリリーマイナー』。
しなやかな曲線デザインに、うっとりとしてしまいますね。
ブロックプリントの壁紙として1899年に、ウィリアム・モリスの一番弟子ジョン・ヘンリー・ダールによってデザインされました。
『ゴールデンリリーマイナー』はモリス・スタイルを踏襲したデザインのひとつで、色やスタイルは誰もがモリスのものと見違えたほど!
今でも人気の高いデザインのひとつです。
『ゴールデンリリーマイナー』のコーディネート例
『ゴールデンリリーマイナー』は優しい雰囲気のデザインなので、カーテン・ラグ・クッションとトータルコーディネートで揃えるのも素敵です。
美しく咲き誇るユリと、愛らしいピンクの小花がお部屋をエレガントに演出してくれます。
クッションなどの小物に取り入れることで、さりげなくロマンチックな雰囲気に♪
【モリスシリーズ】優美なユリのデザインがお部屋を彩ります。防炎・ウォッシャブル日本製ドレープカーテン
『ゴールデンリリーマイナー アイボリー』
織物だから表現できる色彩の豊かさと立体感が美しい高級生地ドレープカーテン
【モリスシリーズ】美しい花柄デザインがお部屋にしっくり馴染む。世界で愛されるデザインのラグ
『ゴールデンリリーマイナー アイボリー』
上質感のあるゴブラン織り!ほこりが出にくく手洗い可能なラグ
【モリスシリーズ】しなやかな曲線デザインが美しい。正方形背当てクッションカバー
『ゴールデンリリーマイナー アイボリー 約45×45cm』
ラグなど他のアイテムと揃えても可愛い♪モリスの世界観を味わえるクッションカバー
ブラックソーン
深みのある落ち着いた雰囲気のなかに、可愛らしい花々をちりばめた『ブラックソーン』。
1892年にウィリアム・モリスの一番弟子ジョン・ヘンリー・ダールによって作成されました。
『ブラックソーン』とは、モリスが好きだったイギリスの花のことです。
ブラックソーンやイヌバラ、スミレなどが描かれた美しいデザインは、モリスのイングリッシュガーデンへの愛情を表現しています。
壁紙にされたと当初は、23個もの版木が使われハンドプリントされていたそうですよ。
『ブラックソーン』のコーディネート例
ブラックソーンは森や草原の中にいるような美しい花々のデザインが魅力です。
オリジナルの壁紙は、ビクトリア様式などクラシカルなインテリアに取り入れられました。
壁紙としてはもちろん、カーテンやマットに取り入れるのもおすすめです。
お部屋の格式をワンランクアップさせてくれますよ。
ケルムスコットツリー
『ケルムスコットツリー』は、1891年にモリスの誕生祝に妻や娘たちが3か月かけて刺繍したものがモチーフとされています。
このデザインは、モリスの別荘の寝室にあるベッドカーテンをヒントに描かれました。
伸びやかな大きな木に、愛らしい果実や小鳥が描かれたナチュラルで温かみのあるデザインです。
『ケルムスコットツリー』のコーディネート例
存在感のある『ケルムスコットツリー』は玄関マットにおすすめです。
鮮やかなデザインをインテリアに取り入れるのは勇気がいりますが、玄関マットサイズなら気兼ねなく取り入れられそうですね。
玄関のインテリアが物足りないと感じるときには、アクセントとして敷いてみましょう。
まとめ
この記事ではウィリアム・モリスの人気柄とコーディネートのポイントについて解説してきました。
ウィリアム・モリスは19世紀に活躍したテキスタイル・デザイナーで『モダンインテリアの父』と呼ばれています。
小花や木々、動物をモチーフにした繊細なデザインは、思わずため息がでる美しさ。
「いちご泥棒」や「フルーツ」など彼の作品は、現代でも多くの人に愛され続けています。
ウィリアム・モリスのデザインで、毎日の暮らしを豊かに彩りましょう。