ここ数年、じわじわブームになっているトライバル柄ラグ。
なんとなく「おしゃれ」「クール」というイメージはあるものの、実際にはどんなデザインをさすのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
”トライバル”という言葉は、もともと英語の形容詞”Tribal”からきており「部族の」という意味があります。
インテリア用語では『民族調の伝統的なデザイン』をさし、古来から部族間で伝承されてきたスピリットが感じられる特有の世界観が魅力です。
(日本では伝統的な模様や色使いからインスピレーションをえた、トライバル風のデザインが主流です。)
この記事では、ラグ専門店おすすめの『トライバルラグ』をご紹介していきます。
個性的でトレンド感満載のアイテムをたくさんご用意していますので、じっくりご覧になってくださいね。
目次
トライバルとは英語で「部族の」という形容詞
ここ数年、インテリアデザイナーやセレクトショップなど流行に敏感な人たちのあいだで注目を集めているのが『トライバル柄』。
トライバルって・・・あまり聞きなれない言葉ですが、どのような意味があるのでしょうか?
ちょっと気になると思うので、いっしょにチェックしてみましょう。
トライバル(Tribal)とは?
そもそもトライバルとはどういう意味なのか?といいますと、その答えはこちら。↓
トライバルには部族という意味があります。
『部族』というと、アフリカや東南アジアなど世界各地に存在する小規模のコミュニティをイメージしますよね。
19世紀までは世界各地に多くの部族が存在していましたが、昨今の急速なグローバル化の流れにのまれ部族はだんだんと消えていく運命をたどっています。
そんな今の時代だからこそ人々の”古きよきもの”への思いがつのり、インテリアの分野でも注目を集めてきているのかもしれません。
ちなみに私はずっと「トライバルってなんだか物々しい雰囲気がする・・・。どうして?」と思っていたのですが。
今わかりました!
”サバイバル”と響きが似てたからだ。←
って、急にどうでもいい話してごめんなさい。(どうしても言いたかった・・・。)
本題に戻りましょう。
インテリア用語で「トライバル」は柄を指す
言葉の意味としては「トライバル(Tribal)=部族の」ですが、インテリア用語として使うときはもう少し的をしぼって民族調の柄のことをさします。
民族調の柄というとずいぶんざっくりしていて、北欧のノルディック柄、アルプス地方のチロリアン柄、南アメリカのオルテガ柄など、世界各国にさまざまな種類があります。
つまり、それぞれの部族で愛用されていたアイテムは全て「トライバル」なのでカラフルな幾何学模様もあれば、黒を基調とした流線模様もあるし、そのデザインの幅はとても広いのです。
伝統的なデザインのものは、あれもこれもトライバル柄といえちゃうってことですね。
ただし、これは『トライバル』を広くとらえたときの場合です。
実際に『トライバル柄』という言葉がもつニュアンスはもっと限定的で、民族の中でも南大西洋のポリネシアン地域に伝わる黒を基調とした紋様をさすことが多いのです。
たとえるならこんな雰囲気がメジャーかな、と思います。↓
部族に伝わる身体装飾(タトゥー)を彷彿とさせる柄ゆきで、力強くクールな印象ですよね。
伝統的な模様には、家系、社会的地位、既婚か否かなどの意味がふくまれているそうです。
トライバルラグとは?
ユニークなデザイン性と大胆な色使いが私たちを惹きつけてやまない、トライバルラグ。
中近東に住む少数民族たちが、手織りで丁寧に作り上げています。
テント内や礼拝で床に敷くだけでなく、テントの扉代わりに使用したり、馬やラクダの背中にかけて使ったり、岩塩や大切なものを入れたりと様々な形で使われ、少数民族たちにとってなくてはならない存在となりました。
現在ではその高い芸術性が話題となり、今では欧米諸国を中心に世界中で愛されています。
そんなトライバルですが、なんとなくイメージはあるものの「キリムと違いはあるの?」「どんな柄の種類があるの?」などわからない部分も多いですよね。
そこで、ここからはより具体的にトライバルラグの特徴を解説します。
トライバルラグの分類
トライバルラグは主にイランやトルコ、アフガニスタンといった中近東地域の民族が使っていた毛足の長いラグのことを言います。
一口にトライバルラグと言っても、地域や民族によって、それぞれデザインや織り方が全然違うんです。
そのためトライバルラグは、ラグを作った民族や産地によって分類されています。
代表的なのは「バルーチ」「トルクメン」「シラーズ」などです。
バルーチとトルクメンは、民族の名前からつけられました。
シラーズはイラン南西部の大きな街の名前です。
シラーズで作られたラグのうち、どの民族が作ったのかわからないものが、シラーズと呼ばれるそうです。
また、近年流行しているギャッベもシラーズで作られているラグなんですよ!
トライバルラグとキリムの違い
民族調のラグと言えば、キリムを思い浮かべる人もいますよね。
キリムもトライバルラグと同じイランやトルコなど中東地域で織られた民族調のラグですが、厳密にはトライバルラグではないんです。
その理由は毛足の長さにあります。
トライバルラグは毛足の長いラグを言いますが、キリムラグは平織のため毛足がないんです。
アウトドアで使えるような薄手の民族調ラグを探しているときは、平織のキリムの方がおすすめですよ。
素材
トライバルラグは、一般的にウールを使って作られます。
トライバルラグを作っている民族に遊牧民族が多く、羊毛が使われやすいのが主な理由です。
民族によって絹やウール、綿など使われる素材も様々ですが、天然素材で作られることが多いようです。
ウールやコットンを使ったラグは吸湿性にも優れているため、湿気の多い日本でも使いやすいですよ。
デザイン・織り方について
トライバルラグは、ペルシャ結び、トルコ結びなど様々な技法を用いて、丁寧に手編みされます。
それぞれの部族に得意な織り方があり、専門家が織り目を見ればどの部族の編み物なのかわかるそうです。
また、トライバルラグと言えば、花や動物など自然をモチーフとしたユニークなデザインが魅力ですよね。
このデザインは様々な意味が込められており、知ってから見るとさらにトライバルラグを楽しめると思います。
ここでは、代表的なトライバルラグの柄をご紹介します。
文様の名前 | 文様の意味 |
花瓶文様 | 花瓶や花が彩られた模様。砂漠の多いイランの人々にとって、水を入れた花瓶に咲く花々はまさに豊かさの象徴でした。ペルシャ絨毯にも見られる比較的古くからある文様です。 |
ギュル文様 | 「ギュル」はトルクメン民族の紋章のこと。日本でいう家紋のようなものです。部族ごとに細かなデザインが異なり40種類以上が発見されています。 |
動物文様 | 鹿やライオンなどの動物が描かれた模様は、紀元前5世紀から発見されており、古くから親しまれてきたことがわかります。 |
鳥文様 | イスラム世界において、鳥は古来より幸せを運ぶ存在として愛されてきました。家族の幸せを願い、トライバルラグに鳥を描いているのかもしれませんね。 |
トライバル柄は本当に人気なの?
最近じわじわ人気が出てきたトライバルラグですが、まだまだ一般的には浸透していない言葉です。
一部のインテリアのトレンドに敏感な人たちのあいだで話題になっているという印象ですが・・・
着実にブームはきています。
こちらをご覧ください。↓
これは『トライバルラグ』というキーワードで、ネット検索された回数(検索ボリューム)をグラフにしたものです。
2015年以降、コンスタントな需要があり全体的にボリュームも右肩上がりになっています。
それだけ多くの人が関心を示し、『トライバルラグ』を検索窓に打ち込んでいるということですね。
アウトドアに関心が高まってきているのも、トライバルラグ人気を後押ししているようです。
テントの中にトライバルラグを敷いたら、雰囲気出ますよね~!
ちなみにうちのご近所さんの小窓にかかっているファブリックが「モノトーンのトライバル柄」で、こんなに身近なところにもトライバルの波がきている!と感じる今日この頃です。
似ている用語:ネイティブ・オルテガ・エスニック
トライバルに似ている用語としては、「ネイティブ」「オルテガ」などがあります。
この3つの違いを大枠でとらえると「デザインのテイストが似てるけど、ちょっとちがうよね」といった感じです。
いずれも民族調のデザインという共通点がありますが、発祥した地域がちがうので特有のカラーや柄で独自の世界観を展開しています。
もし今「トライバル柄」でさがしているなら、「ネイティブ柄」や「オルテガ柄」の中にも好みのデザインがあるかもしれません。
「ネイティブ」の意味
ネイティブ柄は、アメリカの先住民族に伝承されるパターンのこと。
いわゆるネイティブアメリカンが衣装などに用いたデザインをさしています。
オルテガ柄・チマヨ柄・ナバホ柄・チーフジョセフ柄など、部族ごとの名称をつけたさまざまな種類があり、その総称をネイティブ柄といいます。
「オルテガ」の意味
オルテガ柄は、先ほどお伝えしたネイティブ柄の中のひとつ。
アメリカのニューメキシコ州のチマヨ村に居住していた、オルテガ一家(スペイン系移民)によって伝えられてきた手織物の柄のことをさします。
ポンチョやコートなど秋冬物によく使われる柄で、お店でみかけるとつい手にとってみたくなっちゃいますよね。
カラフルで優しい雰囲気に魅了されている人も多いのではないでしょうか。
(※上(↑)の画像は「THEオルテガ柄」ではないのですが、よく似た雰囲気のものを掲載してみました。)
「エスニック」の意味
エスニックは直訳すると「民族の」と言う意味です。
う~ん…。これだけ聞くと「トライバル(部族)」とどう違うのかよくわからないですよね。
トライバルラグは中東地域のラグを表すのに対して、エスニックラグは主にインドや東南アジア地域のラグを意味します。
(地域も違うんだから、もう少しわかりやすい言い回しにしてよ~!)←心の声
エスニックラグの特徴は、鮮やかな色使いや花柄などを用いたエキゾチックなデザインが特徴です。
違いはとっても曖昧!
ネイティブ・オルティガ・エスニック。
これは、どれも民族や部族を意味する言葉で、それだけ見ると違いがすごく曖昧です。
それぞれの意味や由来をたどっていくと奥深いのですが、日本ではそのエッセンスをもらって「ネイティブ調」「オルテガ調」「トライバル調」など、デザインの雰囲気を参考にしたものが主流です。
民族調という共通点はあるものの、柄の名前によって「ちょっとテイストがちがうな~」という認識でとらえてもらったらいいかなと思います。
トライバル柄のラグが欲しい人は、ネイティブやオルテガも含めて検討すると選択肢が広がるのでおすすめです。
当店おすすめ!トライバル柄ラグ9選
少数民族が作った本物のトライバルラグは、十万円以上することも少なくありません。
気軽に楽しむには少々臆してしまうお値段ですよね…。
リーズナブルな価格で気軽に楽しむなら、民族デザインを取り入れたトライバル柄ラグがおすすめです。
ここからは、当店おすすめのトライバル柄ラグをご紹介していきます。
民族的なデザインは、ユニークな世界観やあたたかさが魅力です。
ぜひ、お気に入りの1枚をさがしてくださいね。
根強い人気はモノトーン系
トライバル柄で人気があるのは、なんといってもモノトーン。
クールでダイナミックなデザインは、「メンズライクスタイル」や「インダストリアルスタイル」にもおすすめです。
民族的な紋様があしらわれた個性的なデザインですが、白と黒をベースにした色使いなのすっきりとしたまとまり感があり、お部屋の空間になじみやすいのがうれしい。
【ナチュラルレイヤード】ヴィンテージ調のナチュラルな風合いがお部屋に馴染む♪手織りで丈夫なインド製ラグ
『ディエレン 約140x200cm』
落ち着いた色合いと手織りならではの揺らぎのある雰囲気がお洒落
個性派人気はカラフル系
模様だけでなく色使いも楽しみたい!という場合は、カラフル系のデザインがおすすめ。
1枚さらりと敷くだけで特有の存在感をはなち、お部屋の主役になりうるアイテムです。
ラグの雰囲気が個性的なので、そのぶんカーテンやソファーなどのデザインはシンプルすると◎。
薄手ならアウトドアにも◎
「民族調のおしゃれラグをキャンプで敷きたい!」
そんな方におすすめしたいのが、薄手のトライバル柄ラグです。
薄いので持ち運びやすく、キャンプやアウトドアでも活躍してくれます。
ソファーや椅子に掛けてマルチカバーのように使うこともできますよ。
クッション等の小物使いにもこだわって
クッションやスツールなどの小物にも、トライバル柄を取り入れてコーディネートしてみましょう。
小さな面積だと、大胆な色柄も思い切って取り入れやすいですよね。
ベッドサイドやソファーの足元に敷ける細長いサイズのトライバル柄ラグも人気です。
アクセントとして活用すると、お部屋の雰囲気がぐっとおしゃれになりますよ。
【ナチュラルレイヤード】ネイティブ柄でお部屋が華やかに♪手織りで丈夫なインド製ラグマット
『ガブローボ 約50x120cm』
落ち着いた色合いと手織りならではの揺らぎのある雰囲気がお洒落
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『アルターレ 約60x60x15cm』
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まとめ
民族調のラグは、あたたかみのある個性的なデザインが魅力です。
- インテリアに最新トレンドをとりいれたい。
- お部屋を味わい深い、おしゃれな空間にしたい。
という方におすすめ!
トライバル特有のカラーリングや紋様を楽しみながら、一目惚れしちゃう!?お気に入りの1枚をさがしてくださいね。
民族のという意味がある「トライバル柄」には明確な定義はなく「ネイティブ柄」や「オルテガ柄」と重なる部分も多いので、アイテムをさがしたいときにはこれらの柄の名前もあわせて検索してみましょう。