『ゴブラン織り』をご存じでしょうか?
フランスをはじめとしたヨーロッパでは有名なゴブラン織りですが、日本ではあまり馴染みのない名前ですよね。
絵画のような美しい模様を描くことができるゴブラン織りは、タペストリーによく使われています。
ゴブラン織りは芸術性が非常に高く、ベルサイユ宮殿でも使用されているほどです。
びっくりカーペットでは、エレガントからナチュラルな北欧テイストまで、
幅広いデザインのゴブラン織りーペットを豊富に取り揃えております。
目次
ゴブラン織りとは?
ゴブラン織りは、カーペットやタペストリーの織り方の一種です。
でも、名前だけではどんな織物なのかイメージがわかないですよね。
ゴブラン織りにはいったいどのような特徴があるのでしょうか?
まずは、ゴブラン織りの特徴や歴史について説明していきます。
ゴブラン織りの特徴
ゴブラン織りは平織の一種です。
つづれ織りとも呼ばれており、経糸は見えず緯糸だけで模様を表現します。
模様を描く緯糸には太めの糸が使われているため、重厚感のある仕上がりになります。
経糸(たていと)4色以上・緯糸(よこいと)3色以上で構成されており、色や模様を表現する緯糸は数百色に及ぶこともあります。
緯糸一本一本で模様を描くため、繊細で豊かな表現が可能で絵画のように美しいことが特徴です。
細やかな表現ができる分、製作には手間と時間がかかるため非常に高価な織物です。
★コラム★
ゴブラン織りと日本
実は、ゴブラン織りとほとんど同じ方法で織られている織物が日本にもあります。
それは、西陣爪掻本綴織(つめがきほんつづれおり)と呼ばれる伝統技法を使った織物。
爪先で紋様となる糸を1本1本掻きよせるために、織師は爪をギザギザに刻んでいるそうです。
手間ひまがかかり、高度な技術を必要とするためとても高価な織物で帯地や壁掛けなどに使われています。
日本とフランス、意外な共通点ですね。
ゴブラン織りの歴史
つづれ織りそのものの歴史は非常に古いです。
つづれ織りの起源とされているエジプトのコプト織りは、紀元前15世紀にはすでに織られていたと言われています。
それがやがて、ヨーロッパやアジアなど世界各地へと広まっていきました。
では、なぜつづれ織りがゴブラン織りと呼ばれるようになったのでしょうか?
ゴブラン織りとよばれるようになったのは、15世紀にフランス・パリ近郊のゴブラン(Gobelins)家が造ったつづれ織りのタペストリーがきっかけでした。
ゴブラン家の工場で造られる”タペストリー”は、精巧かつ豪華なデザインで大変人気だったそうです。
その後、17世紀にルイ14世がこの工場を買い上げて国営化し王室御用達の織物工場となりました。
もともとはタペストリーのみが作られていましたが、やがてゴブラン織りの絨毯なども作られるようになります。
国営化されたゴブラン家の工場は現在でもフランス国営の工場として稼働していて、内部を見学できるツアーなどもあるそうですよ!
工場近くには”レ・ゴブラン”という名の地下鉄駅もあります。
現在ではフランスだけでなく、イタリアやドイツなどでも開発が進み、ヨーロッパ諸国で生産されています。
ゴブラン織りカーペットの3つの魅力
フランス王朝が国営化してしまうほど美しい装飾模様のゴブラン織り。
そんなゴブラン織りで造られたカーペットの魅力は大きく分けて3つ!
①まるで絵画!優美で繊細なデザイン
ゴブラン織りの魅力は、なんといっても繊細で優美な美術性の高さにあります。
デザインを描く緯糸は何百色と使われることもあり、多色表現が可能です。
その芸術性の高さから、ベルサイユ宮殿でもタペストリーや室内装飾品として使用されています。
ゴブラン織りの繊細な表現力があれば、絵画をタペストリーすることもできます。
モネ、ゴッホ、ルノワールなど多くの有名画家の作品が、タペストリーに織られ現在でも人気を博しています。
②お手入れが簡単!
ゴブラン織りは、経糸と緯糸を織っていく平織の一種のためパイル(毛足)がありません。
毛足がないため遊び毛やほこりが出にくく、ごみも付着しにくいです。
コロコロを転がすだけで簡単にほこりやごみがとれます。
ゴブラン織りは、薄くて軽いことも特徴です。
陰干しする際の持ち運びが楽にできます。
薄いのでコンパクトに折りたためるため収納もしやすいです。
掃除しやすく、運びやすい。
お手入れが簡単なのは魅力的ですよね。
パイルについて
「パイル」とはカーペットやラグの毛足、繊維の束のこと。
ラグから毛足の出ているものはパイルのあるラグです。ウィルトン織り、タフテッドカーペットが挙げられます。
パイルには、輪の形になっているループパイル、
輪が切られて一本一本毛が立っているカットパイルの2種類があります。
ループパイル
カットパイル
パイルのないラグはゴブラン織りのほかに、三笠織り、い草のラグなどがあります。
表面に毛足がないため、滑らかな触り心地をしています。
③丈夫で長持ち!
ゴブラン織りのもうひとつの魅力は、丈夫で長持ちするということ。
ゴブラン織りは他の織物と比べても経糸と緯糸のしっかりと織り込まれており、薄くても生地が丈夫です。
その丈夫さは、土足文化の欧州でもカーペットとして使われているほど。
負荷がかかりやすい、椅子やソファーの張布に使われることもあります。
丈夫で長持ちするゴブラン織りカーペットならば、
高級感のあるデザインを長く楽しむことができます。
ゴブラン織りカーペットのよくある3つの質問
ゴブラン織りのカーペットは、デザイン性に秀でているだけでなく使い勝手が良いことも魅力です。
けれど、実際にカーペットを選んでいると色々気になることもありますよね?
当店で特に多い質問は以下の3つ。
- 洗濯することはできる?
- シェニールって何?
- 薄いけど底付き感は大丈夫?
ここでは、ゴブラン織りカーペットを選ぶときに気になる疑問にお答えしていきます。
①洗濯はできる?まずは洗濯表示を確認しましょう
いくらほこりやごみが付きにくいゴブラン織りカーペット。
日々のお手入れは楽ですが、洗濯することはできるのでしょうか?
ゴブラン織りが洗濯できるかどうかは、素材によってかわります。
例えば、
アクリルや綿など水に弱い素材が含まれているラグは、洗濯できないことが多いです。
水や熱に強いポリエステルなどは手洗いや洗濯機で洗えることがあります。
カーペットを洗濯したいときには、洗濯表示を確認し、指示に従うようにしてください。
洗濯可の場合も、おしゃれ着用の中性洗剤など生地に優しい洗剤を選ぶようにしましょう。
②シェニールって何?
ゴブラン織りカーペットの中には、「ゴブランシェニール」と書かれているものがあります。
シェニールとは一体何なのでしょう?
シェニールとは、フランス語で「毛虫・いもむし」のこと。
シェニール糸はもこもこした感触が特徴の糸です。
毛虫の様に、芯糸の周りが柔らかい毛に覆われていて、毛足が立っている状態になっています。
日本ではモール糸とも呼ばれています。
ゴブランシェニールは、シェニール糸を使ったゴブラン織りのことです。
シェニール糸が使われているため、薄手でも肌触りが柔らかくなります。
ちなみに、
ハンカチやバッグなどで知られる“シェニール織り”は、一度織り上げた生地を裁ち、再び織り上げて作るという変わった製法で作られます。
シェニール糸のような手触りからその名前が付いたそうです。
シェニール糸を使えばシェニール織になるというわけではないんですね。
③底付き感は大丈夫?気になる場合は下敷きを
薄く手入れしやすいのがゴブラン織りの魅力です。
ですが、薄いカーペットだと底付き感が気になりますよね。
ゴブランシェニールなど柔らかな手触りのカーペットを選ぶことで、ある程度底付き感は軽減できます。
どうしても気になる場合は、カーペット用の下敷きマットを敷いてください。
床からの冷えが気になるときは、ホットカーペット対応のものを選ぶと冬場も快適に使うことができますよ。
【デザイン別】おすすめゴブラン織りカーペット6選
当店でおすすめのゴブラン織りカーペットを6つご紹介いたします。
お部屋のテイストに合う、お気に入りの一枚を探してみてくださいね。
タイプ①エレガントなゴブラン織り
ゴブラン織りらしい細やかな装飾模様のカーペット。
高級感のあるデザインなのに、薄手で扱いやすいというのはゴブラン織りならではの魅力です
タイプ②ナチュラルなウィリアムモリスのゴブラン織り
ウィリアムモリスは、イギリスのテキスタイル・デザイナーで「モダンデザインの父」と呼ばれています。
草花をモチーフにした、上品で優しいデザインが印象的です。
ゴブラン織りのラグを絵画のように楽しんでくださいね。
まとめ
まるで絵画のような、繊細な織りが美しいゴブラン織りカーペット。
太めの糸で織られることが多く、重厚感のある風合いも魅力です。
その美術性の高さはさることながら、「ほこりが出にくい」「丈夫で長持ちする」など実用面においても優れた特性を持ち合わせています。
当店では幅広いテイストのゴブラン織りカーペットを豊富に取り揃えております。
毎日の暮らしを彩るカーペットとして、ゴブラン織りカーペットをぜひご愛用くださいませ。