ラグやカーペットをご購入いただいたお客様から「届いたラグ(カーペット)を広げたらシワが目立つ」というお声をいただきます。
ご購入したばかりのカーペットやラグは、お客様の元にお届けする梱包の方法によって折りシワが付くことがあります。
この折りシワは、カーペット・ラグを日常で使って頂いているうちに生地が馴染んでシワはなくなります。
でも、一部に頑固なシワが残るという事態もあります。
それに、冬に使っていたカーペットを押し入れに仕舞って、翌年にカーペットを取り出すとシワが付いてしまったという方もいらっしゃるのではないですか?
ここでは、カーペットやラグについてしまったシワを伸ばす方法について解説したいと思います。
どうやってカーペット・ラグのシワを伸ばせばいいのだろう…とお困りの方は、こちらのシワ伸ばし方法を参考にラグやカーペットについたシワを伸ばしてみてくださいね。
目次
カーペット・ラグのシワを伸ばす前の確認すること
カーペット・ラグのシワ伸ばしをする前に確認することがあります。
まずは、その確認を行ってからカーペット・ラグのシワ伸ばし方法を試してください。
カーペット・ラグにシワ以外の汚損がないか確認する
まず、ご購入直後の梱包を解いたカーペット・ラグの状態を確認してください。
梱包によってついた折りシワ以外に、汚損箇所が無いか目視で確認を行います。
- カーペット・ラグの生地が破れたりしていないか?
- カーペット・ラグに目立つ汚れが付着していないか?
もしも、開封直後に生地の破れや痛み、目立った汚れが見つかった場合は初期不良や輸送中による損傷の可能性があります。
開封直後のカーペット・ラグにそのような状態が見られた場合は、カーペット・ラグを購入した各販売店に相談してください。
カーペット・ラグのシワが自然回復するか確認する
カーペット・ラグに初期不良や輸送による損傷が見られないようでしたら、しばらくカーペット・ラグを使ってみてください。
輸送の梱包によってできた折りシワは、自然に発生する湿気をカーペット・ラグが吸収することで回復します。
カーペット・ラグを2~3日使ってみて、折りシワが自然に回復するか確認をしてください。
しばらく使ってみて、シワが回復しないようでしたら、次章で解説するシワ伸ばしの方法を試してみてください。
カーペット・ラグのシワを伸ばす方法
さっそく、ラグやカーペットについたシワを伸ばす方法について解説したいと思います。
まずは、比較的に簡単な方法から、シワの伸ばし方をご紹介します。
カーペット・ラグの上に布団を敷く
一番簡単で手間のかからないシワを伸ばす方法は、ラグやカーペットの上に布団を敷いてしばらく過ごすことです。
カーペット・ラグの上に布団を敷き、その上でしばらく日常生活を過ごしていただくと生地の馴染みが進み、シワも一緒に伸ばすことができます。
注意点として、カーペット・ラグの上に布団を敷きっぱなしにしないことです。
布団を敷きっぱなしにしておくと、カーペット・ラグの毛足が寝てしまう危険があるので注意してください。
特に必要な道具がないこの方法が簡単にシワ伸ばしができる方法になります。
カーペット・ラグを霧吹きで湿らせてシワを伸ばす
カーペット・ラグの折りシワができている場所を霧吹きで湿らせたあと、乾いた汚れていないきれいな布で毛並みの反対方向に毛足を立てるように水分を拭き取ります。
霧吹きは大量にふきかけて使うのではなく、シワを伸ばしたい部分に湿気が徐々に吸収されるのを確認しながら霧吹きを使ってください。
カーペット・ラグが一度に大量の湿気を含むと、布ですべての水分を拭き取ることができません。
すると、毛足が濡れて寝てしまうのでシワの修復ができたのか確認ができず、乾燥させるために陰干しの時間が必要になるので注意してください。
ただ、この方法は撥水機能があるカーペット・ラグでは、霧吹きの水分を弾いてしまうためシワ伸ばしの効果が薄くなります。
撥水機能のないカーペット・ラグに有効なシワ伸ばしの方法です。
シワ伸ばしに使う道具
- 霧吹き
- 乾いた汚れていないきれいな布
このシワ伸ばし方法の効果があるカーペット・ラグ
- 毛足の短いカーペット・ラグ
- 撥水機能のないカーペット・ラグ
- 熱に弱い素材を使ったカーペット・ラグ
ドライヤーの温風を当ててシワを伸ばす
シワを伸ばしたい場所にドライヤーの温風を当てながら、乾いた汚れていないきれいな布で毛足を整えるように拭きます。
毛足の長いシャギーラグの場合は、ブラッシング用のブラシを使うとシワを伸ばしながら毛足をうまく立たせることができます。
逆に、毛足が固くて短いカーペット・ラグではシワ伸ばしの効果が薄くなります。
毛足が固くて短いカーペット・ラグの表面をドライヤーで温めれば毛が立ちやすくはなりますが、ブラッシングをすると毛足にブラシが絡まってしまう危険があります。
毛足が固くて短いカーペット・ラグでは、硬いプラスチック製のブラシを使うのではなく、ゴム製のブラシを使うなど使い分けると、シワ伸ばしの効果が期待できます。
ドライヤーではなく工業用のヒートガンを使ってシワを伸ばそうとする人がいるかもしれませんが、ヒートガンは高温になるのでカーペット・ラグの毛足を傷めてしまいます。
ドライヤーは髪を乾かすときに使う一般的な物を使ってください。
シワ伸ばしに使う道具
- ドライヤー
- 乾いた汚れていないきれいな布
- ブラッシング用のブラシ
このシワ伸ばし方法の効果があるカーペット・ラグ
- 毛足の長いシャギータイプのカーペット・ラグ
- 熱に耐性のあるカーペット・ラグ
カーペット・ラグをお風呂場にしばらく干す
お風呂にお湯をはり、そこから出た湯気を利用してカーペット・ラグのシワを伸ばします。
お風呂場を湯気で満たした簡易のスチームルームにします。
そのなかに、シワを伸ばしたいカーペット・ラグをお湯に落ちないように吊るすことで、カーペットラグの自重と湯気の力でシワを伸ばします。
カーペット・ラグがお風呂場に持って入ることのできる大きさで、お風呂場に物干しざおなどの吊るすことができる設備がある場合にとれるシワ伸ばしの方法です。
この条件をクリアできるなら、ほとんどのカーペット・ラグでシワ伸ばしを試すことができます。
ただし、吸湿性の低い撥水機能がついたカーペット・ラグ、ナイロンやアクリルなどの化学繊維が使われているカーペット・ラグの場合は、シワ伸ばしにしばらく時間が必要になります。
このシワ伸ばし方法の効果があるカーペット・ラグ
- お風呂場に入るサイズのカーペット・ラグ
- 自重があって吸湿性のあるカーペット・ラグ
頑固なシワを伸ばす方法
ご購入直後の折りシワなら、先に解説したシワ伸ばしの方法のどれか、またはいくつかを試すことで、ほとんどのシワを解消できると思います。
ただ、一部の頑固なシワはこれまでの方法では解消が難しい場合があります。
- 収納して付いた折りシワ
- 巻いた状態で収納して付いた巻き癖
など
カーペットやラグを季節ごとに交換しているご家庭だと、収納しておくとこうした頑固なシワがカーペットやラグに残ってしまうのは珍しくありません。
このような頑固なシワを伸ばしたい場合、アイロンのスチームを使ったシワ伸ばしが有効なケースがあります。
さっそく、アイロンを使ったシワ伸ばしの方法について解説していきますが、まずはアイロンを使うときに注意することがあります。
アイロン表示を確認する
まず、シワの付いたカーペット・ラグにアイロンのスチームを当てて大丈夫なのか、カーペット・ラグのアイロン表示を確認してください。
アイロン表示
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200度を限度として アイロン仕上げができる。 |
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150度を限度として アイロン仕上げができる。 |
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110度を限度としてスチームなしで アイロン仕上げができる。 |
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アイロン仕上げができない。 |
カーペット・ラグのアイロン表示で「アイロン仕上げができない」物には、アイロンを当てないようにしてください。
アイロン表示を無視してアイロンを使うと、シワを伸ばそうとしてカーペット・ラグの表面に致命的な損傷を与える危険があります。
なので、アイロンを使ったシワ伸ばしは、必ずアイロン表示で「アイロンを使っても大丈夫なカーペット・ラグに限り」シワ伸ばしにご使用いただけます。
アイロンのスチーム機能でシワを伸ばす
アイロン表示を確認して、アイロンを使用できるなら、カーペット・ラグのシワ部分にアイロンのスチームを噴きかけてください。
スチームを噴きかけるとき、アイロンをカーペット・ラグのシワ部分に直接当てるのではなく、表面から10㎝ほど離した場所からスチームを噴きかけるようにします。
スチームを当てる時間はカーペット・ラグの素材によって異なりますが、しばらく根気よくスチームを当ててください。
スチームを当てたシワのある場所が湿気と熱を十分に吸収したら、乾いたきれいな布で毛並みの逆方向から水分を拭き取ります。
十分に湿気を拭き取ることができたら、ブラシを使って毛足を立てながら毛並みも整えてください。
乾燥が不十分だと感じた場合は、ドライヤーを使って乾燥させるか、陰干しをして乾かしてからカーペット・ラグを使用します。
これで頑固なシワのほとんどを修復することができると思います。
シワ伸ばしに使う道具
- アイロン(スチームアイロン or 衣類スチーマー)
- 乾いた汚れていないきれいな布
- ブラッシング用のブラシ
- ドライヤー(早く乾燥させたい場合)
このシワ伸ばし方法の効果があるカーペット・ラグ
- 熱に耐性があるカーペット・ラグ
- 中生地にウレタンを使ったカーペット・ラグ

アイロンを使ったシワ伸ばし方法は、カーペット・ラグに残ったシワを伸ばすだけでなく、へたってきたカーペット・ラグの毛足やウレタンのふくらみを回復させる効果もあります。
シワ伸ばしでやってはいけないこと
カーペット・ラグのシワを伸ばす方法について解説してきましたが、みなさんはシワ伸ばしの方法で間違ったやり方があることはご存じですか?
もしかすると、間違ったシワ伸ばしの方法を使っていて、カーペットやラグが「ゆがんだ」、「たるみができた」という経験をお持ちの方もいるかもしれません。
どんな方法が間違ったシワ伸ばし方法なのか、いくつかご紹介したいと思います。
- シワを無理やり伸ばす
- アイロン表示を無視する
- スチームクリーナーを使ってシワを伸ばす
- 重量のある物を上に乗せてシワを伸ばす
いかがですか?思い当たる方法があったかもしれません。
よくやる間違ったシワ伸ばしの方法は、「シワを無理やり伸ばす」です。
カーペットやラグのシワを無理やり引っ張って伸ばしたり、シワの向きとは逆にカーペットやラグを折り曲げたりすると、余計にシワができる場合があります。
また、アイロンより強力なスチーム機能があって洗浄もできるという理由でスチームクリーナーを使ってシワを伸ばそうとする人がいますが、これも間違ったシワ伸ばしの方法です。
スチームクリーナーのスチームが強力すぎて、カーペットやラグの生地を傷めるだけでなく、裏面のスベリ止めのゴムを溶かしてしまう危険があります。
そして、シワのある場所に重量のある家具などを乗せてシワを伸ばそうとする人もいますが、これも生地をへたらせたり、ゆがみの原因になります。
シワを伸ばした後のカーペット・ラグのお手入れ
折りシワを伸ばすことができたら、カーペット・ラグを簡単にお手入れしましょう。
定期的にお手入れをすることで、カーペット・ラグを長く使用することができます。
カーペットやラグに掃除機をかける
カーペットやラグの掃除は、コロコロクリーナーで簡単に済ませることも多いですが、定期的に掃除機をかけてあげましょう。
掃除機をかけることで、毛足の奥にからまっているほこりやゴミを吸い取ることができます。
掃除機は自走式パワーブラシではなく、床ブラシにヘッドを交換して使ってください。
自走式パワーブラシで掃除を行うと、カーペットやラグの毛足を傷つけてしまう危険があります。
床ブラシならその心配が少ないので、カーペットやラグに掃除機をかけるときには注意してください。
湿気を完全に取るために陰干しする
カーペット・ラグも繊維ですので、湿気によるダメージを受ける危険があります。
カーペットやラグの湿気を取り除くために、裏面を上にして陰干しで乾燥させてください。
陰干しで湿気を取り除くことで、ダニやカビが繁殖しにくい状態にすることができ、子供がハウスダストなどでアレルギーを発症するリスクを少なくすることができます。
また、陰干しをしたとき、手で軽くトントンと叩いてほこりやゴミを落とすのは構いませんが、布団叩きなどで強く叩くと生地を破ったりして損傷の原因になるので、やさしくトントンと叩く程度にしてください。
ブラッシングをして毛足を整える
カーペット・ラグにブラッシング?と感じたかもしれません。
でも、シワ伸ばしの方法でブラシを使うのですから、普段のお手入れでもブラッシングを行うのはなんらおかしくありません。
ブラッシング用のブラシはプラスチック製とゴム製などがありますが、カーペットとラグの素材や毛足の長さによってブラシを使い分けるようにしてください。
ブラッシングのやり方は、毛並みに沿ってではなく、毛並みの逆から毛を立てるイメージでブラッシングを行います。
こうすることで、ヘタってきていた毛足を復活させて、繊維の隙間にからまっている髪の毛を取ることができます。
カーペット・ラグの収納方法
カーペット・ラグをシーズンごとに敷き替える場合、押入れに仕舞ったカーペット・ラグに折りシワが付いてしまうことがあります。
この収納で付いた折りシワも、ここで解説したシワ伸ばしの方法でシワを修復することが可能ですが、そもそもシワを付けたくないですよね?
カーペット・ラグの収納方法を工夫すれば、収納で付く折りシワを予防することができます。
その収納方法というのが、カーペット・ラグを巻いて縦置きにする、という方法です。
やり方は簡単です。
カーペット・ラグを筒状に巻いて、押入れに立てて収納するだけ。
巻くときに竹竿などの芯となる物を入れるときれいに巻くことができて、立てかけたときにフニャッとならないようにします。
また、縦置きで立てかける理由は、巻いたカーペット・ラグを寝かせると自重で潰れて折り目が付いたり、上に物を乗せるのを防ぐためです。
そして、巻いたカーペット・ラグはクラフト紙で包装しておけば湿気から守ってくれます。
大きなクラフト紙はホームセンターで購入することができるので、除湿剤や防虫剤といっしょに購入しておくと便利です。
スベリ止めシート(シール)で折りシワやまくれ対策
カーペットやラグを使っていると、何かの拍子にカーペットの端が捲れてしまって、そのまま放置してしまうことはありませんか?
カーペットやラグの捲れを放置していると、折りシワができたり、生地が傷む原因になることがあります。
それに、カーペットが足に引っかかって捲れると転倒して怪我をする危険があるので、お子さんがいるご家庭では捲れ対策が必要になります。
そこで、カーペットやラグの捲れ対策として、スベリ止めシート(シール)がおすすめです。
スベリ止めシートをカーペットやラグの下に敷くことで、カーペットの上を歩いてズレたり、カーペットの捲れの発生を防いでくれます。
スベリ止めシート(またはシール)は、カーペットやラグの下に敷いたり、角の裏面にシールを張るだけなので簡単に捲れ対策をすることができます。
まとめ
ここでは、カーペット・ラグのシワ伸ばしの方法について解説しました。
ちょっとした道具を使えばカーペットやラグについたシワを伸ばすことができます。
また、収納などでついてしまった頑固なシワも、アイロンを使ったシワ伸ばしの方法でシワを解消することができます。
カーペットやラグをご購入された方で、折りシワが気になるという方は、ご紹介したシワ伸ばしの方法を試してみてください。