ウエディングドレスなどの生地として使われることもあるオーガンジーってどんな特徴のある生地なのかご存知ですか?
オーガンジーは、ゴージャスな見た目のドレスのレースとして使われたりする透け感のある生地です。
シルクとは少し違った質感のオーガンジーは様々なアイテムやファッションに使われています。
オーガンジーの特徴と使い方について解説しますね!
目次
オーガンジー生地の特徴と使われている素材
オーガンジーがどんな生地なのか解説します。
オーガンジー生地の特徴とそれに使われている素材についてご紹介しますね。
オーガンジー生地の特徴
オーガンジーは、透け感があるのにハリと弾力性を合わせ持った手織りの平織り生地です。
生地の見た目は高級感があるので、ウエディングドレス等のドレスのレースに使われます。
他にも、シンプルな見た目のアイテムを飾るリボン等に使用されることもあります。
生地は薄く肌触りも滑らかで、均一の糸で織られているため糸ムラもほとんどありません。
また、オーガンジーは透け感のある生地の中では比較的丈夫な生地なので、洗濯できる種類のオーガンジー生地があります。
オーガンジーのような透け感のある生地のことを「シースルー」と呼ぶことがありますが、これは正しくありません。
シースルーとは「透けて見える」という意味があり、生地そのもののことではなく、透け感のある素材を使った衣服全般(例えばシースルースカートなど)を指します。
なので、「オーガンジー生地を使ったシースルースカート」というのが正しい使い方になります。
オーガンジー生地に使われる素材
オーガンジー生地は様々な繊維を素材として作られています。
- シルク
- ポリエステル
- レーヨン
- ナイロン
- ポリウレタン
オーガンジーとは使われている素材ではなく、その加工した素材を使って織られた生地の名前です。
例えば、シルク生地は蚕の繭(マユ)から取れた動物繊維(絹糸)を素材としています。
オーガンジーの場合は、シルクやポリエステルなどの繊維に硫酸仕上げ(擬麻加工)という加工が施され、その加工された繊維を織り上げた生地をオーガンジー生地と呼びます。
シルクやポリエステル等の繊維を加工するわけですが、この加工する素材によってオーガンジー生地の質感や性質に違いがあります。
シルクを硫酸仕上げで加工した場合、オーガンジーの中でも光沢の強い生地が出来上がります。
一方で、ポリエステルを加工した場合は、強度と弾力のある生地に仕上がります。
使われる素材によって質感と性質が違うのもオーガンジーの特徴と言えます。
その他の透け感のある生地とオーガンジーの違い
オーガンジーは透け感のある生地ですが、オーガンジーの他にも透け感のある似た生地があります。
見た目も似ているため判別が難しいですが、オーガンジーとその他の生地の違いについてご紹介しますね。
シフォン
シフォンとは、シフォンケーキの名前の由来ともなった生地のことです。
シフォンの特徴は、透け感があってふんわり柔らかく軽い生地です。
オーガンジーとの違いは、使われている糸がオーガンジーよりも細い糸を使っているので、仕上がりがよりふんわりした生地になります。
チュール
チュールは、多角形の網目を持つレース生地のことです。
オーガンジーよりも網目が大きいので見た目で違いがわかります。
また、チュールには生地の薄いソフトチュールと生地の厚いハードチュールの2種類があります。
ジョーゼット
ジョーゼットは生地に独特のデコボコ(シボ)があり、オーガンジーなど他の生地と比べて光沢は少ないですが上品な質感の生地です。
撚り糸を使って織られているので生地が薄くてもシワになりにくく弾力性があって丈夫な生地です。
オーガンジー等の他の透け感がある生地と比べると、撚り糸を使って丈夫に作られているので若干透け感は少なくなります。
レース
レース生地はオーガンジーやシフォン等の生地とは少し違います。
レース生地とは、生地を作る糸の織りや編みを工夫して透かしを作った生地のことです。
レースには様々な模様の種類があり、代表的なレースには太い糸を使って立体感を出すケミカルレースやチュール地に刺繍を入れたチュールレースなどがあります。
ボイル
ボイル生地は「ボイル撚り」という撚りの強い強撚糸を使って織られた透け感のある薄手の生地です。
オーガンジーなどは衣服の装飾に使われていますが、ボイル生地はもっぱらレースカーテンに使われることが多い生地です。
薄手で通気性が良く、リネンのようなシャリ感があるのでカーテンの生地に適した性質を持っています。
また、オーガンジーのように使われる素材によって生地の質感や性質に違いが出て、コットンボイルやリネンボイルなどの種類があります。
オーガンジーの3つの用途
オーガンジーがどのような場所で使われているのか、オーガンジーの用途をご紹介しますね!
衣類
ドレスなどの衣類の装飾としてオーガンジーが使用されます。
生地が薄くても比較的丈夫なオーガンジーは衣類の装飾に適した素材です。
ドレスのスカート部分に使われることが多く、生地を重ねても透明感があって高級感を出したい時によく使用されます。
特にウエディングドレスのスカートにオーガンジーが使われるケースが多いようです。
また、素材にポリエステルを使ったオーガンジーはシルクよりもコストが安いので、低コストでドレスを制作したい場合にはオーガンジー生地がおすすめです。
アクセサリー・小物
オーガンジーは布を使ったアクセサリーの生地として使われます。
ドレス等の胸元に付けるコサージュにオーガンジー生地が使われています。
イブニングドレスなどのワンポイントとして胸元に付けるコサージュのフリルには、見た目に高級感のあるオーガンジーはぴったりです。
他にも、ヘッドドレスやリボンの生地にオーガンジーを使うことがあります。
ボリューム感を出したいフラワーヘッドドレスやリボンでは、ふんわりしているけどシルエットをしっかり残すことができる生地にハリのあるオーガンジー生地がよく使われます。
レースカーテン・シェード
レースカーテンには、カーテンの生地全体または裾に刺繍の入ったオーガンジー生地を使ったレースカーテンがあります。
特に出窓などの小窓に取り付ける見た目を重視したスタイルカーテンに使われます。
例えば、スタイルカーテンのひとつにスカラップカーテンというスタイルがあります。
スカラップカーテンは、カーテンの裾が波上にカーブしていて、裾に美しい刺繍や透け感のあるフリルが付いています。
このスカラップカーテンの裾やフリルにオーガンジーが使われます。
スタイルカーテンは窓周りを上品な見た目にコーディネートするのが目的なので、透明感と高級感のあるオーガンジー生地はスタイルカーテンの生地としてぴったりです。
スタイルレースカーテン以外だと、シェードカーテンの生地に使われていたり、レースカーテンを室内側に吊るすフロントレーススタイルで刺繍の入ったオーガンジー生地のレースカーテンを使用する場合があります。
オーガンジーのお手入れ方法と取り扱い上の注意点
透け感があって薄手のオーガンジー生地はお手入れが難しいと思われがちです。
オーガンジーのお手入れで悩んでいる方に、オーガンジー生地のお手入れ方法と取り扱いの注意点をご紹介しますね。
オーガンジーのお手入れで最初に確認すること
オーガンジーのお手入れで最初に確認することは、オーガンジーの洗濯表示です。
洗濯表示が「洗濯可」のオーガンジー生地はご自宅、またはクリーニング店で洗濯することができます。
オーガンジーをお手入れをする前に、まずは洗濯表示の確認を行いましょう。
洗濯機OK | 手洗いOK | 洗濯不可 |
桶のマーク |
桶と手のマーク |
桶と×のマーク |
出典:消費者庁HP.「洗濯表示(平成 28年12月1日以降)」.
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
その他にも確認することに「生地のほつれ」や「色移りする物が一緒」かどうかを確認してください。
オーガンジーは他の薄手の生地と較べて丈夫ですが、ほつれがあると洗濯中に生地が破れてしまう恐れがあります。
また、オーガンジー生地のシャツやコサージュに、色付きのボタンや他の生地が一緒に付いていた場合、洗濯すると色移りする危険があります。
生地にほつれがあったり、色移りする物が一緒で取り外しが難しい場合は汚れている箇所を部分洗いしてください。
オーガンジーは手洗いで洗濯
洗濯可能なオーガンジー生地の洗い方は、基本的に手洗いです。
洗い方は非常に簡単です!
洗濯桶(風呂桶でもOK!)にぬるま湯をたっぷり入れて、衣類用のおしゃれ着洗剤を適量垂らします。
そこにオーガンジー生地を入れて、やさしく揉むように洗います。
後は、生地に残った洗剤をしっかりすすいで落とせば洗濯完了です。
ただ、レースカーテンなどの場合は大きくて手洗いが難しいので、大きな物に関しては洗濯表示を確認してから洗濯機で洗いましょう。
黄ばみや汚れがひどい場合は、ぬるま湯と洗剤を入れた洗濯桶にオーガンジー生地をつけ置き洗いします。
しばらくつけ置き洗いをしてから、揉み洗いをすると汚れが落としやすくなります。
オーガンジー生地の乾燥は自然乾燥
洗濯した後のオーガンジー生地は、乾燥機や洗濯機の脱水機能を使わずに自然乾燥させます。
乾燥機や脱水機能を使うと、オーガンジーの生地が傷んでしまう危険があります。
濡れたオーガンジー生地を乾燥したタオルなどで挟み大まかな水分を取り除いたら、日陰の風通しが良い場所で陰干しをしてください。
アイロンを使う場合は設定温度「低」で短めに
オーガンジー生地を陰干しすると、干した跡のシワが残る場合があります。
洗濯シワが気になる場合は、アイロンを使ってシワを伸ばします。
ただ、アイロンが使えるのはアイロンマークが付いている生地です。
「低」のアイロンマーク
オーガンジー生地に当て布をしてから、アイロンの温度設定を「低」にして短い時間でアイロン掛けしてください。
クリーニングに出してドライクリーニングが必要な場合もある
オーガンジー生地の中には水洗い出来ない種類の生地があります。
シルクオーガンジーやレーヨンオーガンジーは水洗いすると生地が縮む危険があります。
そのような生地でも水を使わないドライクリーニングでなら洗濯できる場合があるので、クリーニング店に問い合わせてみてくださいね。
まとめ
オーガンジーは見た目が上品で高級感のある生地です。
ドレスの生地だけでなく、コサージュやカーテンなどのフリルに使われることもあります。
オーガンジーと似た透明感のある生地には、シフォンやチュール等がありますが、質感や見た目も若干違いがあるので使い方や場所によって生地を選ぶのがおすすめです。
また、オーガンジーの中には洗濯できる生地もあるので、洗濯できるか不安な人はオーガンジーの洗濯表示を確認して、生地のお手入れをしてくださいね!