カーテン生地の素材は大きく分けて「天然繊維」と「化学繊維」の2種類があります。
天然繊維はナチュラルで優しい風合いが人気。
静電気が発生しにくくホコリの吸着を抑えられ、清潔さをキープしやすい素材です。
化学繊維は特殊な加工が施しやすく、「形状記憶」「UVカット」「遮光」などの機能が充実しています。
洗濯による縮みや型崩れが少なく、お手入れしやすいのもうれしいポイント。
この記事では『カーテン布地に使用される素材』について、種類別に詳しく解説しています。
カーテンの素材選びの参考にしていただけると幸いです。
目次
天然繊維
天然繊維で代表的な素材は「綿(コットン)」「麻(リネン)」「毛(ウール)」などがあります。
ナチュラルで素朴な風合いに人気があり、おしゃれなカフェや雑貨店風の雰囲気づくりにぴったり。
化学繊維と比較すると静電気の発生が少なく、ホコリの吸着が抑えられ汚れにくい点もうれしいポイントです。
綿(コットン)
肌着や洋服でもお馴染みの素材「綿(コットン)」。
染色性にも優れているため、プリントカーテンにもよく使われています。
ナチュラルな風合いと柔らかい肌ざわりが特徴です。
◇綿(コットン)のメリット
- ナチュラルで優しい風合い。
- 丈夫で吸水性がある。
- ソフトな肌ざわり。
◇綿(コットン)のデメリット
- 染まりやすいがゆえに、シミになったり色移りしやすい。
- 洗濯などの摩擦によって毛羽立ちやすい。
- カビに侵されやすい。
- 長時間日光があたると黄変する傾向にある。
麻(リネン)
サラリとした手ざわりに人気がある麻(リネン)は速乾性が高く、丈夫で長持ちするという特徴があります。
昨今のリネンブーム到来で、カーテンにも多く使用されるようになってきました。
使うほどに柔らかく馴染む素材なので、日々の暮らしの中で育ててゆく楽しさを味わえます。
ただし洗濯で縮みが発生しやすい特性があるので、お手入れの際には注意が必要です。
◇麻(リネン)のメリット
- 耐水性、耐熱性に優れている。
- 吸水性、透湿性、通気性がある。
- サラッっとした感触が心地よい。
- きれいな色、馴染む色。
◇麻(リネン)のデメリット
- 水分量の変化で生地が伸び縮みする。
- ドレープ性に欠けるため、カーテンの波々がややシンプル。
- シワになりやすい。
毛(ウール)
ウールは一般的には羊毛のことを指します。
カーペットではよく使われる素材ですが、カーテンで使われることはほとんどなく、ごく一部のドレープカーテン(厚地カーテン)にとどまります。
洗濯すると縮み、虫に食われやすいところがデメリット。
◇ウールのメリット
- シックで温かみのある質感。
- 熱伝導率が少なく、保温性が高い。
- 汚れがつきにくい。
◇ウールのデメリット
- 洗濯すると縮む。
- 虫に食われやすい。
絹(シルク)
絹(シルク)は蚕の繭から採取する高級素材。
優雅な光沢、弾力、張力に優れ、手ざわりが滑らかでシワになりにくい。
とても高価な素材なので、一般のカーテンに使用されるのはごくまれ。
ホテルに取り付ける贅沢な逸品として、または美術工芸品として絹(シルク)素材が用いられることもあります。
◇絹(シルク)のメリット
- 優美な光沢感と滑らかな手ざわり。
- 染色性がよく発色が美しい。
- シワになりにくい。
◇絹(シルク)のデメリット
- 太陽光に弱く黄ばみやすい。
- 摩擦に弱い。
- 虫・カビに侵されやすい。
- 水に濡れると縮み、シミになりやすい。
化学繊維
化学繊維は主に次の3タイプに分類されます。
- 石油を化学的に合成した「合成繊維」
(ポリエステル、新合繊、アクリル、ナイロンなど) - 木材パルプや綿花の繊維を原料にした「再生繊維」
(レーヨン、キュプラ、ポリノジック) - パルプの繊維素や牛乳蛋白カゼインを原料にした「半合成繊維」
(アセテート、プロミックス)
なんだか話が複雑そう・・・ですが、「ポリエステル」や「レーヨン」という化学繊維の名前には聞き馴染みがあるのではないでしょうか。
化学繊維は加工の自由度が高いことが特徴で、防水・はっ水・UVカット・花粉キャッチなどの特殊な機能をプラスできるところに魅力があります。
そのほかリーズナブルな価格や染色のしやすさ、洗濯による型崩れや縮みが少ないことなどがメリットで、使い勝手のよいカーテンを求めている方におすすめの素材です。
ポリエステル
ポリエステルはカーテン生地でよく使用される素材です。
特にレースカーテンやボイルカーテンなどではシェア率約99%を占めるほど。
石油・石炭・天然ガスなどを原料に化学的に製造された繊維で、耐久性に優れ丈夫で長持ちすることが特徴です。
適度なハリ・コシがあり、天然繊維に近い風合いが魅力。
遮熱、遮像、防音などの特殊加工が施しやすいため機能カーテンによく使用されます。
◇ポリエステルのメリット
- 強くてしなやか。
- シワになりにくい。
- 加工がしやすい。
- 染色性がよい。
- 比較的リーズナブル。
- お手入れがしやすい。
◇ポリエステルのデメリット
- 帯電性があり静電気を溜めやすい。
- ホコリを吸着しやすい。
- 吸湿性が悪く、蒸れやすい。
新合繊
「新合繊」というと何やら物々しいネーミングですが、ポリエステル繊維の特徴をいかして開発した合成繊維の総称です。
つまりはポリエステルの進化系素材たちのこと。
代表的なものには絹のような光沢やきしみ感がある「ニューシルキー」、桃の表面のような短い毛羽のある「ピーチスキンタイプ」、さらりとした肌ざわりと涼感が得られる「レーヨンタイプ」などがあります。
ドレープ性、コシ、ハリ、しっとり感、ドライタッチに特徴があり、天然素材にはない質感や風合いが楽しめます。
◇新合繊のメリット
- 通気性がある
- 型崩れが少ない
- シワになりにくい
- 軽くて柔らかな素材感がある
レーヨン
木材パルプなどの主原料をセルロース薬品で溶かし、再生した化学繊維のこと。
別名「ビスコースレーヨン」とも呼ばれています。
レーヨンはシルクの代用品として開発された素材で、光沢のあるサラリとした風合いやドレープの美しさが魅力です。
◇レーヨンのメリット
- 品のある優美な風合い。
- 吸湿性、吸水性に優れている。
- 染色しやすく、発色が美しい。
◇レーヨンのデメリット
- 水に弱く、洗濯で縮みやすい。
- 摩擦に弱い。
アセテート
アセテートは半合成繊維に分類される素材です。
木材パルプを主原料に「アセトン」を科学的に作用させて加工した繊維のこと。
シルクのような柔らかさと光沢を持ち合わせ、プリーツ加工を施しやすいメリットがあります。
◇アセテートのメリット
- 絹のような光沢感がある。
- 保温性、吸湿性、弾力性に優れている。
- ふっくらとしたウールのような風合いを持ちつつ、軽やかな印象。
◇アセテートのデメリット
- 熱や摩擦に弱く、耐薬品性が低い。
アクリル
ニットや靴下などの医療によく使われる素材で、アクリルロニトリルという石油からつくられています。
合成繊維の中で最もウールに近い性質を持ち、ふっくらと柔らかく弾性回復力(もとに戻る力)が強いという特徴があります。
カーテンではほかの繊維と混紡して使用されることがあります。
◇アクリルのメリット
- ふくっらと柔らかな風合い。
- シワになりにくい。
- 薬品や虫に強い。
- 洗濯による縮みや型崩れがしにくい。
◇アクリルのデメリット
- 毛玉ができやすい。
- 静電気がおきやすい。
アクレイル系
アクレイル系は難燃性の高い合成繊維で、ドレープカーテンで多用されている素材です。
ウールを模した繊維であるため、ふんわりとしていて暖かい。
収縮による変化が少なく、型崩れがしにくい素材なのでお手入れがしやすいのもうれしいポイント。
◇アクレイル系のメリット
- 防炎性に優れている。
- 柔らかく軽く、保温性が高い。
- 弾力がありシワになりにくい。
- 日光に強い。
- 発色性がよく、日光による黄ばみや色落ちが少ない。
◇アクレイル系のデメリット
- 熱に弱い。
- 毛玉が発生しやすい。
ナイロン
ナイロンは石油を原料とした合成繊維の一つ。
米国のデュポン社が1935年に開発した素材で、化学繊維の中でも最も古い歴史を持っています。
摩擦や折り曲げに強い、染色しやすい、速乾性に優れている、カビや虫害にも強いなどの特徴があり、衣類をはじめインテリア製品にも幅広く使用されている素材です。
◇ナイロンのメリット
- 摩耗や折り曲げに強い。
- 型崩れしにくく、弾力性に富んでいる。
- 染色しやすく、柔軟で薄い。
- カビや虫に侵されにくい。
◇ナイロンのデメリット
- 静電気を帯びやすい。
- 日光による黄変が生じやすい。(昨今では改良傾向にある。)
- 価格がやや高い。
優しいナチュラル素材のカーテンが人気!
ナチュラルなインテリアにぴったりなのが、綿・麻を使用した天然素材のカーテンです。
コットンやリネンには、植物由来ならではの優しい風合いに魅力があります。
陽の光や風を柔らかくうけとめ、木材の家具やフローリングとも馴染みやすい。
毎日の暮らしを丁寧に、穏やかに過ごしたいあなたにおすすめの素材です。
ここからは当店自慢の「ナチュラル素材カーテン」をご紹介していきます。
あなたはリネン派?コットン派?
天然素材の代表格といえば「コットン(綿)」と「リネン(麻)」です。
だけど・・・何がどう違うの?かいまいちピンとこないですよね。
ということで、簡単にご説明させていただきます。
- コットン(綿)はふんわり柔らか。
- リネン(麻)はシャリッとはりがある。
さらには、
- コットン(綿)はシワが気になりにくく、型崩れしにくい。
- リネン(麻)は毛羽立ちが少なく丈夫。
などの違いがあります。
コットン(綿)は染色性に優れているので、プリントカーテンにも多く使用される素材です。
リネン(麻)は特有のハリ感があるので、ドレープカーテンの生地としてはやや薄めが主流です。
また「コットン65%、リネン35%」というように、混ぜ合わせて紡績した混紡タイプのカーテンも充実しています。
(いわゆる「コットンリネン」と呼ばれる素材。)
混紡タイプの生地はそれぞれの繊維の長所を組み合わせることで、風合いや機能性UPをはかった素材。
カーテンによっても風合いは違うので、是非実際に見て触って比べてみましょう。
当店ではカーテン生地の無料サンプル注文を承っております。気になるカーテンがあれば、お気軽にご請求ください。
おすすめのリネン&コットン素材カーテン
当店では素朴で優しい「天然素材カーテン」を多数ご用意しております。
使うほどに深まる味わいを是非お楽しみください。
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まとめ
カーテンの生地素材には様々な種類がありますが、よく使用されるのは「コットン(綿)」「ポリエステル」「アクリル系」などです。
中でもポリエステルはレースカーテンでのシェア率が高く、加工自由度の高さや天然繊維に近い風合いに人気があります。
コットンやリネンなどの天然素材はナチュラルテイストのお部屋にぴったりです。
遮光性やUVカット率の高いカーテンが欲しい場合には、化学繊維を混紡しているタイプも視野に入れて選びましょう。